「真来さんって、あの!?地味な壊し屋の…」


言って、あっと口を押さえる。
恐らく社内ではそう言われていたのだろう。


おおよそ見当はつく。そうでしょうねと驚きもしない。


「あ、あのっ、お名前は??お名刺頂けますか??」


いきなり目をキラキラとさせ、真言さんににじりよる。もう稲垣くんはそっちのけだ。
切り替えがスバラシイ。


「七菜ちゃん…!!」


あっさり見切りを付けられ、情けない声になる稲垣くん。


舌打ちする真言さん。


「残念ですが、彼女がパートナーなので」


え"っ!?
今なんと!?
私が一番驚く。


「私の方が若いです!!いろいろお役に立ちますっ!!」


この女…。
思わず睨むが、不意に私を抱き寄せて、キスをした。


え"え"え"え"え"!?