気がついたら、止まった車から飛び出して川にダイブしていた。 ハルのところまで夢中で泳いで、抱きかかえたときハッとした。 足がつかない。 そうだ。泳げなかった。 どうやってここまで来たのか。 ―――まさかのこのタイミングで平静を取り戻した私は、当然のように、 溺れて沈んだ。 力が抜けて、ハルは手から放れていった。 一緒に溺れるわけにもいかない。私はバカだ。