よくある話だ。 ろくに世話もせず、亡くなったら財産だけよこせという、金の亡者の皮が剥がれるときだ。 「ご主人様から言付かりまして、マイクロチップに書くこともご主人様の提案で。見つけて頂かないと意味がないんです」 芳子さんが監守をちらりと見る。 「そうなんですか??」 「なので出来れば探して、中身を見せてあげて下さいませんか??」 「……何とかしてみましょう」 「お願いします」 深々と頭を下げると戻っていった。