―――そして。
3人で見送って日本を旅立った真言さん。
飛行機が空高く飛び立ったのを見届ける。
香緒里さんの目的はもちろん私に会うことだった。
真言さんは、向こうで企画して製作して。
ある程度ベースを作って、直しながら。
そこまででも、ひと月くらいは掛かるらしい。
完成してもイメージと違ったり気に入らなければまた直す。
提出する。
そこから審査の対象になる。
「行っちまったな」
「……ですね」
当面、ふたりきりになるのか。
改めて思い出したらドキドキしてきた。
壬言さんが髪を掻きながら。
「……まあ、……その、…なんだ。…時間はあるんだ。ゆっくりしよう」
「……ですね」

