「それでいいんです」


殴られて切れてしまった口元を拭うと、


「…実はパリでフラワーアレンジメントのコンテストがありまして。参加しないかとお誘いがありました」


「そうなんですか??凄いじゃないですか!!」


思わず感動する私。


「なので、よかったら真来さんに同行していただけないかと思ったのですが。パートナーとして」


「いやまさか、ぷぷ、ぷろ」


「プロポーズに聞こえましたか、やはり」


「やはりって…」


「冗談ですよ。これでスッキリしました。僕一人で行ってきます」


「……私じゃ、ダメなの!?」


思い余ったように玖美さんが口を挟む。


「おや、よろしいんですか??こんなタラシで」


「………っ!!仕方ないから、付き合ってあげるわよ!!」