「えっと、………まさか」 なんというか、直感と先入観で思い当たった人物だ。 「お久しぶり。……松川、いえ、左樋…由利です」 その口から発せられた、予想を上回る言葉に、 固まった。 「………由利!!??って、………いやそんなことより左樋って」 あんぐりと口を開く。 開いていることを忘れるほどの衝撃だ。 「いや、あの、……えっと????」 見かねた壬言さんが私の顎を上げ、カクッと閉じた。 「……すまない。そういうことなんだ」