結局、繋がらなかった。
電波が届かないとか。


くう。一方的じゃないですか。


お店に帰ると準備中のプレートが掛かっていた。


裏から回る。


「あっ…」


左樋さんの姿があった。
思わずビクッとして身構える。


真言さんが裏口で立ち尽くす私に気付いてやって来た。


「お帰りなさい、どうぞ」


「あのっ!!私……!!」


「どうかしましたか??」


きょとんとするが、すぐに何かを察した。


「お客様ですよ、【YOROZUYA】の」


「えっ???」


「こんにちは」


左樋さんの隣、私の死角から現れたのは、ひとりのキレイな女性。


「真来さん、よね??」