「マイクロチップというのをご存知ですか??」


「えっと、確か、お店で買った犬や猫が迷子になったとき用に、背中に飼い主の情報の入ったものを埋め込むっていう…」


「それです」


「それが何か??」


「どうもそこには、お屋敷で知られたくない情報が入ってるそうですよ。見る人が見ればそれが何かわかるという代物らしいです」


「知られたくない情報……??」


「会社の裏帳簿とか、そういうことか??」


「いや、書ける情報は知れているようです。家族の名前やら住所が基本ですから」


「じゃあ、何が…??」


「ついでに調べちゃいますか」


話しながら、さくさくと作業は終わり、きれいな花束が完成した。


「すごい…格好いい…」


すっかり目がハートになる私。
舌打ちすると、


「見惚れてねえで、猫連れてこい」


「あれっ!?アレルギーですよね」


「仕方ねえだろ、事情が変わった。お前んところに置いとくより安全だ」