と。
カタン!!と音がして、私のハンガーが壁から落ちた。
フックが甘かったようだ。


「もっ!!申し訳ございません!!」


その下に小さな加湿器がありネックレスが隙間に滑り込んだことに気がつかなかった。


「あっ、大丈夫ですよ」


仰向けで顔のマッサージをされていた私は、慌てた。
むしろ私が居ることを気付かれても困る。


「お洋服は汚れておりませんので」


急いで手を拭き、拾い上げると軽くはたく。


「本当に大丈夫ですから、お気になさらないでください」


「本当に、申し訳ございません」


そこからは、会話が途切れてしまった。


「失礼致します」


「かっ、神前店長!?」