「お元気でした??」


「相変わらずですよ」


穏やかに微笑む。


「そういえば、例のお友達の結婚式もそろそろのはずですね」


「あっ…」


最悪、彼氏が見つからなかったら壬言さんを貸してほしいと言われたのだった。


このままいくと、万が一ということもゼロではない。


松嶋くんにその気がなければ。
あるいは、茉里があくまでルックスと結婚という理想像にこだわるなら。


好みの問題だけれど、いい人だと思う。むしろ胡散臭い緋居くんより上手くいってほしい。


ただ、たまに会う友人として仲がよくても、恋人となると難しい。ましてや結婚となると。


案外あっさりくっつく場合もあるだろうけれど。


「お父様は警察の官僚ですが、どうも羽振りが良すぎるのが引っ掛かりますね」


「そういえば、やたらブランド物を着けてましたね」


「気付いてましたか」


「観察眼はあるようなので。沙紀にも言われました。昔からそうらしいです」


「やはりそうなんですね、我々の目に狂いはなかったようで、よかったです」