―――ただ、 抱き締められて眠った。 ふと目を覚まして、見上げると、目の前に壬言さんの寝顔があった。 安心して眠っているようだ。 私もまた、壬言さんの胸元に頭を持たしかけ、静かに目を閉じた。 私の頭をのせた、枕にした半袖の素肌の腕に、蕁麻疹はなかった。 一歩前進だ。