確かに甘かった。
動物は好きな方だ。


けれどまともに飼って世話をしたことも皆無に等しい。私は本当に、何ならまともに出来るのか。


落ち込む。
そもそも犬と猫の生態や特質も区別が付いていなかった。


犬というものは。
呼ばなくても来るし呼べば用がなくても飛んで来る。それはもう尻尾をブンブン振って。


それが犬の一番わかりやすく可愛いところであり、犬好きにはたまらない萌えポイントだ。


但し、雨だろうが台風だろうが飼い主が病気だろうが、散歩は必然で、室内飼い以外はトイレは基本外でしかしない。


が、猫は真逆だ。
まず人に懐かない。家に付く、場所に付く、というのは昔かららしい。


そして無心で、ボーッとした人にだけ興味を示す。もちろん香水の類いはNGだ。


慣れてきたら、「触らせてあげてもよくってよ??」という女王様気質であること。


ただそのツンデレさ加減が、猫好きにはたまらない萌えポイントでもあるのだけれど。


懐きにくいことがわかっている分、自ら膝にでも乗られた日には、萌えぇ!!になるのだ。


そして一番の違いは、尻尾を振っているときは機嫌が悪い、イライラしている、ということ。


そこに手を出そうものなら、甘噛みなんて可愛いもんじゃない。両手で挟んで牙で本気噛み。


ガブリ!!シャー!!血がピューだ。


何より凶器の爪を研ぐことに命懸けだ。我が身を守る術はまずそこにある。


そして、その凶器を研ぐために、襖だの壁柱をズタボロにするのは野生として当たり前の行為だ。


「……なんじゃこりゃあ…」