そんな女に騙されたのか、とため息をつく壬言。
「それで本題なんですが、今いる場所に心当たりがあるそうで」
小さく震え、まだ微かに涙ぐむ爽の背中を優しく擦る美山。
「…どこなんですか??」
「…確信はありませんが、一度だけ家以外に閉じ込められたことのある場所です」
言うと席を立つ爽。
「案内します。昨日夜勤で、今日は終わりなので」
「爽のこと、くれぐれもお願いします。私はこれから研修会がありまして。何かあったらすぐ向かいますので」
深々と頭を下げた美山。
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