「御山の以前いた病院も、問題を起こして懲戒免職処分になったようですね。本当のところは」


離婚して移動になっただけではなかったということか。


図書館の新聞で事件を知った真言が、コピーを取ってきて、店のインターネットでさらに詳しく調べる。


「従姉妹がその病院にいるようです。何かを確かめようと訪れた真来さんも、恐らく御山違いで帰ろうとしたんでしょう。そこを狙われて拐われたか」


「…今回は裏目に出ちまったか」


悔しそうに唇を触る壬言。
沙紀は明日もあるのでひとまず引き上げた。


「何かわかったら連絡くださいね!?」


きつく念を押された。


「いい友達を持ったもんだな、あいつも」


うーんと伸びをする壬言。


「羨ましいですか??」


「別に」


ふん、とあしらう。


「いつの間にか元に戻りやがって」


「これも策のうちだったんですけどね、予定では」


「……マジで全部裏目だな」


「策に溺れてしまったとはこのことです。一刻も早く助けなくては」


「だな」