あり得ない失敗をしでかした。


会社支給のノートパソコンを床に落とした上、お茶をぶち撒けるという。


しかも自分のではない。
課長のものだ。


データのびっしり詰まった。
あり得ない。


こんなことが、今月に入って三度目だ。


いや、覚えているだけでも、もっと前から。なんなら今月は少ない方だむしろ。


あれやこれやと数えきれないほど、こまごまと。
いや、大きな物では窓ガラスから電気ポットに至るまで。


大概の損害だ。
言っても仕方ないけれど、もちろん特別、変わったことはしていない。


触ると壊れる。
それだけだ。いや、それだけじゃ済まないだろう。


「言いたいことは分かっているね??」


そりゃそうもなりますよね。
課長から呼び出され、眼鏡の奥の目が笑っていない笑顔で、優しく肩を叩かれ、私は職場を後にした。


あああ。