病室に戻ると、柚希が消えていた。


「柚希がいない!!」


周章てて飛び出す。


「えっ!?」


弥刀さんも慌てる。
同じ病室の患者さんに聞いてみる。


「あのっ!!ここにいた男の子、どこいったかわかりますか!?」


「さあ、わざわざ言わないと思いますけど、トイレじゃないですか??」


雑誌を読んでいて気付かなかった少年。寝ている少年。


そろそろ夕食の時間だ。配膳のカートが準備を始める。


まさか。
見られたのか。


部屋を飛び出すと、


「探してきます!!手伝ってください!!」