―――そして翌日。
夕方近く。


店が心配になったので、2人で行ってみた。
一番心配なのは壬言さんだけれど。


けれど。


見てはいけないものを見てしまった気がした。


少し離れて車の中から様子を見ようと。


というか。
車から出損ねてしまった。


店は開けられていた。
おまけにだ。


20歳くらいの女性が、お店の外で作業をしていた。


作業といっても、ガラスを拭いたり、小さな鉢を整えているくらいだけれど。


可愛らしい女性は、肩の上で長いストレートの黒髪を2つに束ね、半袖のTシャツで汗を拭きながら壬言さんに話し掛けていた。


「……誰ですか??」


「…いや、さあ」


真言さんも知らない顔のようだ。


壬言さんも、笑ってこそいないけれど、自然にやり取りをしているのは、車の中からでも見て取れた。