「ところでお姉ちゃんは、お兄ちゃんのお嫁さんになったんかいな」


「え"っ!?」


「このお兄ちゃんとお店するのに来たんでしょう」


「いや、あの」


近所の人や常連さんは、むしろ真言さんと一緒になると思っているのか。
初めて知った。


「そうですね、そのうちに」


「ええっ!?」


言ってウインクする。
区別がついていないのか、いつも壬言さんが配達で居ないときに来ている気がした。


「あ、ああ、…はい」


「仲いいもんねえ。うちの孫もこんな人にもらってもらえたら」


「そ、そうですね…」


何となく話を合わせた。
そしてやっぱり、入れ違いに壬言さんが帰ってきた。


「私と真言さんて、仲良さそうに見えるんですか??」


無神経だった。


「知るか、バカ女」