「あの!チケット代っ!」

私は慌ててお財布を取り出そうと手を離そうとした。

━━が、

「……早く行きましょう」

離そうとした手を強く握られ、佑くんが走り出した。

「ちょっと待ってー!」

なんか佑くん、めっちゃ強引なんですけど!?

そして、とても上機嫌な気がする。

日頃デスクワークばかりの私は、この調子で1日持つかどうか、今から不安でしょうがなかった。