佑くんの大きくて力強い手に、不覚にもときめいてしまう。

背丈は私と変わらない位なのに、ちゃんと男の人の手をしている。

ゴツゴツして、骨ばって、私の手を包み込む様な、大きな手。

佑くんは人混みをスイスイと避け、駅の中を歩いて行く。

私はそれに付いて行くので精一杯。

「た、佑くん…どこに行くの?」

その問いかけに、佑くんは答えない。

でも、なんとなく分かった。

私達は電車を乗り継いで、目的地へ到着する。

(……やっぱり)