顔を赤くして振り向くと、佑くんが肩を震わせ、笑いを堪えながら立っていた。

「……おはよう…ございます……」

「佑くん!それ、今後禁止ね!私、こう見えてもビビりなんだから!ちゃんと見える所で声を掛けてよ!いつか心臓止まる!」

ちょっとイラついたのと恥ずかしいのとで、私は声を荒げた。

「……はい……ごめんな…さい……」

それでも笑い出しそうな佑くんに、もうっ!と言って背を向けた。

「……そんなに…怒らないで下さい……」

そう言って佑くんは、私の手を握って歩き出した。

「えっ…ちょっ……」

引っ張られる形で、私も歩き出す。

(こここ、恋人つなぎーーっ!?)