「……夏夜さん」

「わっ!」

廊下を歩いていたら、急に声を掛けられて私は声を上げた。

この声……。

恐る恐る振り向くと、

「……佑くん」

そこには、佑くんが立っていた。

「お、お疲れ…さま……」

「……お疲れ様です」

私の挨拶に、佑くんが頭を下げる。

「…………」

佑くんは顔を上げると、そのまま何も言わずに、じっと私を見つめる。

前髪で隠れているけど、多分。