「……走れば、間に合います……」

「そんなっ……」

なんだか楽しそうに弾む佑くんの声。

その言葉の通り、間に合った。

と言うか、運転手さんが走る私達を見て、待っていてくれたんだと思うけど。

タンッ……と、ステップに乗る。

「はぁ……はぁ……ありがとう、佑くん……」

「……いえ」

息が切れている私に対して、全く息が乱れていない佑くん。

すごい。

「……お気を付けて……」

「うん……」

プシューっと、ドアが閉まる。