好きな人の弟を、利用した

「アタシが無理矢理聞き出したのよ……たっくん、大分悩んでいたみたいだから……」

まだ何も頼んでいないのに、お水とコーヒーを、それぞれテーブルに乗せる。

「あの……」

「コーヒーはサービスよ♡」

ハナちゃんさんがウインクをする。

「あ、ありがとうございます。……あの、怒っている訳じゃないんです。ただ、弟くんがどんな事を話していたのか、ちょっと気になって……」

別に怒ってはいない。

……ホントの事を言うと、少し怒っているけど、そんな事を言ったら『杉崎弟』がもっとちっちゃくなりそうで、言えなかった。