「本当の事を話したって聞いた時はビックリしたけど、上手くおさまってくれて安心したわ。まさに、『雨降って地固まる』ね」

「はい……」

珈琲を一口すすり、「あ、でも……」と、ずっと引っ掛かっている事を思い出した。

「一つ、分からない事があるんですよ」

「なあに?」

「私が昴を好きだったって噂、どこから漏れたのかなぁ、って。この事知ってるの、凉子とハナちゃんさんしかいなかったんです。凉子は絶対にそんな事言わないし、ハナちゃんさんもわざわざ会社に来て言いふらすなんて事しないし。不思議で…」

私がそう言った瞬間、隣で珈琲を飲んでいた佑くんが、その珈琲を盛大に吹き出した。

「ちょっ!大丈夫!?」

慌てて布巾を渡す。

「ゲホッ!ゲホッ!……大丈夫です……」

涙目になりながらむせている佑くんを見て、私とハナちゃんさんが顔を見合わせた。

「佑くん……」

「たっくん……」

これは、もしかしなくても……。