好きな人の弟を、利用した

カラン、コロンと、鈴の音が響き、フワッとコーヒーの良い香りが私達の間を通り抜ける。

すごく、良い香りだ。

「いらっしゃーい♡」

そう声を上げて迎え入れてくれたのは、背が高く、黒髪短髪のおじさん。

「……今晩は、ハナさん」

「たっく~ん♡待ってたわよ~♡」

『ハナさん』と呼ばれたおじさんが、体をクネクネさせてこっちへ寄って来た。

(たっくん?……あ、『たすく』で『たっくん』か……てか、この人……)

『ハナさん』は、どこからどう見ても男の人。

でも、エプロンの下は、ヒマワリが大きく描かれたワンピースを着ていた。