「今日はもう、お開きにしようか。……近藤くん。人の恋愛事情に首を突っ込むくらい野暮な事はないぞ」

部長がため息混じりに言う。

そう言われて、近藤 和架子はまだ言い足りない。と言う顔をしている。

佑くんは……なんとも言えない顔で私を見ていた。

みんなの視線が私に集中しているのが、気配で分かる。

私はいたたまれなくなって、荷物を纏めて立ち上がった。

「夏夜さ……」

佑くんに呼ばれたけど、振り向かない。

「部長。今日はありがとうございました。それと、楽しい雰囲気を壊してしまい、申し訳ありません。……失礼します」

部長に頭を下げる。

「おう。気を付けてな」

部長もなんて言ったら良いのか分からない顔をして、私の肩に手を置いた。

「ありがとうございます」

それだけ言って、私は逃げる様にその場から立ち去った。