でも、どうしてそんな噂が流れたのだろう。

私が昴を好きだった事は、凉子以外誰も知らない。

「………………」

もしかして……と一瞬頭を過ったけど、凉子はそんな事絶対にしない。

「じゃあ、なんで……?」

分からない。

「………………」


私は、考えても纏まらない頭をブンブンと横に振り、キッ!と顔を上げ、

「よしっ!」

と、両頬を叩いた。

冷えた頬に、ジーン……と響く。

もう、全部にケジメを付ける時が来たんだと思う。

このままいつまでもウジウジしてても、解決はしない。

佑くんと話をしなければ。

私は一つ大きく頷いて、屋上を後にした。