「とにかく、ウジウジしてる暇があるんなら、連絡の一つも入れてみたらどうですか?今日辺りご飯に誘ってみるとか」

「……それが出来るなら苦労しない」

「重症ですね。……私はもう知りません。夏夜センパイが自分で解決して下さい。もうすぐお昼休み終わるし、寒いんで戻ります」

凉子が一人屋上から出て行こうとする。

「突然すごく冷たくない!?」

のを、引き止めた。

私の叫びに、ドアノブを掴んだ凉子が、ピタッと止まる。

「だって、夏夜センパイが動いてくれないと、私がいくらアドバイスしたってムダですから。あ、あと言い忘れてましたが、総務課の近藤 和架子に気を付けて下さいね。本気で杉崎 佑を狙ってるってウワサですよ」

じゃあ、と掌をヒラヒラさせ、私を一人残して凉子は屋上から出て行った。

ゆっくり閉じられるドアを、呆然としながら見つめる。