佑くんがハッとした表情を見せ、慌てて私に手を伸ばす。

「あ!すすすすみません!痛かったですか!?」

それを私はパッと避けた。

オロオロする佑くんに背を向けて、必死で涙を堪える。

「だい、じょぶ……。もう分かったから、仕事に戻って」

「でも……」

「いいからっ!」

思いの外響いた私の声に、佑くんが背後で息を飲む。

「……分かりました。失礼します」

頭を下げる気配がして、佑くんがカフェテリアから出て行った。


その瞬間、どわっ!と涙が零れる。

「なによ……なんなのよ……」

払われた手を、ぎゅぅっと握り締める。

「他の人が触っても何も言わなかったクセに……」

もう、本当に訳が分からなくて、ただただ泣く事しか出来ない。

「もう、ワケ分かんないよ……」

嗚咽混じりの声が、誰もいないカフェテリアに響いた。