カタカタカタ━━。


無心でパソコンに向かい、キーボードを打つ。

「えー!杉崎くん、凄ーい!」

「いえ、そんな事ないですよ」


カタカタカタ━━。


「ううん、凄いって!どうして今までこんな才能隠してたの!?」

「いやぁ、はははっ」

目の前で繰り広げられる茶番劇みたいな物には目もくれず、ひたすらキーボードを打つ。


カタカタ…カタ……。

無心で……無心で……。


「尊敬しちゃうー!てか、髪の毛短い方が似合うよ!格好いい!」

一人の女子社員が佑くんの頭を撫でた。

それを見て、プチッと、私の中の何かが切れた。