ポケットから携帯を取り出し、ディスプレイに佑くんを表示させる。

「……今日、一緒にご飯食べに行こうって誘ってみようかなぁ……」

でも、本当に突然だし、断られるかも……。

でもでも、佑くんなら断らない気もするし……。

「うーっ、どうしよう……」

しばらく携帯とにらめっこをしていたら、廊下の方から足音と佑くんの声が聞こえた様な気がして振り向いた。

目を少し細めて焦点を合わせて見てみると、声の主は佑くんではなく、昴だった。

「なんだ。佑くんじゃないや……」

ガッカリと肩を落とし、また観葉植物に身を隠してミルクティーを飲んだ。