(あ……)

さっきまで繋がれていた手が、離れている事に気が付く。

(手、繋ぎたいな……)

ドキドキしながら佑くんの手に手を伸ばすと、触れるギリギリの所でフッと避けられた。

(え……?)

避けた勢いで、佑くんは頭を掻いている。

気のせいだろうか?

もう一度手を伸ばしてみたけど、やっぱり避けられた。

(なんで……?)

佑くんの顔見ても、前髪で表情が分からないからどうして良いのか分からない。

だから、手を伸ばす事を止めた。

自分で自分の手を握り締める。

さっきまで佑くんの温もりを感じていた手は、冷たい風が吹き抜けて、冷えていた。