「え……?」

「……手……離さない、で…下さい……」

佑くんが、どうして良いか分からずに躊躇している私の手を掴む。

そのまま、歩き出した。

(あ、れ……?)

この一連の流れに、デジャヴの様な感覚に囚われた。

(こんな事……前にも……)

あった。

確かに。

あれは……そう。

初デートの時だ。

やっぱり転びそうになった私を佑くんが助けてくれて……。

そうだ。

あの時と同じだ。