「だ、大丈夫…ですか……?」

鼻を抑える私を見て、佑くんがオロオロしている。

「だ、大丈夫。ありがとう」

本当は少し痛かったけど、あのまま転んでいたらもっと痛かったに違いない。

それに比べれば、大した事はなかった。

「本当……ですか……?」

「うんうん。ホントだよ。ありがとう。考え事してたら、足元に注意が行かなかったよ」

アハハと笑うと、佑くんの口からホッとため息が漏れた。

「……夏夜さんは……しっかり、している様で……どこか抜けて…いるので……心配……です……」

「うっ……言うじゃない」

反論したいけど、思い当たる節が多くて反論出来ない。

「だから……」

佑くんが、手を差し出す。