ぐしゃぐしゃになりながら、私は泣いた。

理由も言わずこんなに泣いたら、変に思うかもしれない。

でも佑くんは、そんな私に気付かないフリをして、ずっと頭を撫でてくれている。

メイクもぐちゃぐちゃ、お風呂にも入っていない。

服だって、そのまま。

だけど今は、佑くんの腕から離れたくなかった。

今は、この優しい腕にすがり付いていたかった。



「明日に、なったら……笑顔の夏夜さんに……戻って下さい、ね……」

佑くんが、優しく語りかけて来る。

私はその言葉に、頷く事しか出来なかった。