布団に包まれているから、とか、部屋が暖房で暖まっているから、とか、そう言うあたたかさじゃない。

掌の大きさが、佑くんの体温が、私の心をじんわりとあたたかくして行く。

そのあたたかさが、凍て付いた私の心を溶かし始めた。

「……うっ……うぇぇん……」

溶けた水分が、涙になって次々と溢れ出す。

「……うわぁぁんっ……!」

私は、我慢しないで声を上げて泣いた。


この涙と一緒に、昴への想いも流れ出てしまえばいい。

報われない想いを抱えておくには、もう心がもたなかった。