「ぅ…わぁ~!!」

バラ園に入場して、私はその凄さに声を上げた。

見渡す限り、バラの花。

広い敷地内に、色とりどりのバラ達が凛と咲き誇っている。


「すごーいっ!!」

深呼吸をすると、バラの香りが鼻の奥をくすぐった。

「んー、良い香りー!」

「……本当……ですね……」

「ねね!あっち行ってみようよ!」

「あっ……待って……下さい……」

「早く早く!」

興奮した私は、佑くんの手を引っ張り、お昼になるまで園内を連れ回した。