「どうしたら良いんだろ……」

俯き、他の乗客に聞こえない声で、ボソッと呟いた。


━『きっと誰よりも、夏夜ちゃんはたっくんの事を好きになると思うわ♡』━


ハナちゃんさんの言葉を思い出す。

「そんなの無理だよ……」

今だって、昴の事を想って泣けて来たのに、誰よりもなんて、無理。

顔を上げて、窓の外を見る。

流れる景色を見ながら、そう思った。