「なるほどね……」

「…………」

全て話し終えた私は、冷えきった両手を珈琲カップで温めた。

だけど、残り少ない珈琲じゃ気休めにもならない。

それに気付いたのか、ハナちゃんさんが新しい珈琲をカップに注いでくれた。

じんわりと、カップから指先に温かさが広がる。

その温かい珈琲を一口すすり、息を吐いた。

「……ねえ、夏夜ちゃん?」

「……はい」

「夏夜ちゃんはたっくんの事、嫌い?」

「え……」

ハナちゃんさんに聞かれて、少し考える。