好きな人の弟を、利用した

凉子は凄く仕事が出来る子で、上司達に一目置かれている。

物事をハッキリ言うタイプで、女子達は少し苦手(私は大好き)で敬遠されているみたい。

見た目のクールビューティーが近寄り難い雰囲気を醸し出しているのもまた、原因なんだろうけど。

(そんな凉子に睨まれたんじゃ、「私も一緒に!」なんて言い出せなかったんだろうな)

「ちょっと聞いて!R社の斎藤さん来てるって!」

と、息を切らせて勢い良くオフィスに戻って来た女子が叫んだ。

「え!?マジ!?」

「お茶出ししようよ!」

我先に、と私を囲んでいた女子達が一斉に飛び出して行った。

ポツンと取り残された私は、大きく溜め息を吐く。

(嵐が過ぎ去った……)