好きな人の弟を、利用した

「……なんで、私と佑くんが付き合ってるの知ってるの?」

もう遅いけど、周りに聞かれない様に、私は声を潜めた。

「佑が昨日、顔を真っ赤にして帰って来たんだよ。デートスポットで有名な遊園地に行くって聞いてたから、これはなんかあったな、と思って問い詰めたら、夏夜ちゃんと付き合ってるって言うじゃない!もう俺、びっくりしちゃってさ!あの奥手の佑がだよ!?これはもう応援しなきゃ気が済まないってか、いてもたっても……」

「わ、分かった!分かったからもう良いよ!」

聞いていられなくて、興奮気味に話す昴を制止した。

昴が「え?なに?」と言う表情で私を見ている。

その視線に耐えられなくなって、顔を背けた。


(あ……ヤバイ……泣きそう……)