必死に話をそらす私。


「ん、あぁ、佐野由莉奈だろ?おぼえてるよ〜。」




フルネームで呼ばれてドキドキしてしまう私はもはや末期なのだろう…。



「え、えへ、知ってたんだ。」



ついにやけてしまった。ハッとした時には遅くて、清水くんは意地悪な笑みを浮かべてわたしをみつめてきた。


「なっ、なに?」


「放課後、教室で待ってて。」

「ほ、放課後?」

「そ!放課後!そんじゃ。」



それだけ言って清水くんは教室に帰っていった。