「うわ…。」
おばちゃんにお金を払っていると
後ろから引き気味な声が聞こえた。
「う、うわだなん……………うわあ!」
後ろを振り返った私は気持ち悪い声を上げてしまった。
「佐野さんも、うわっていってんじゃねーかよ」
クククと笑っている男の人を前に私は真っ赤になった。
「し、しし、清水くんが突然いたから、び、びっくりしたんだもん!」
って、あれ?私の名前知っててくれてるんだ…
と、ほっこりしたのもつかの間、
私は手に持っているパン達をササッと後ろに隠した。
「何隠したんだよ」
ん?と言いながら私の後ろのものを見ようとする。
「ちちち、ちがうよ!ぱ、ぱん達が
僕を食べてって、か、悲しそうに訴えてくるからだよ!?」
「ふ〜ん、お腹空いたんだね〜」
なんで、こんな時に限って私はパンを4つも買ったんだ…。
「て、ていうか、私の名前、よ、よく知ってたね!」



