1センチ。


「お母さん〜!」

「なーに?」


私のお母さんはなぜか優しい。

怒った事はあまりなかった。


「入部届けの名前と、印鑑押してくれない?」


私は入部届けを渡した。


「うん、いいわよ。
ところで、美緒は何部に入りたいの?
やっぱり、バスケ部?」


…………お母さん、私は違うよ。


「ううん、バスケ部じゃないよ。
私、吹奏楽部に入りたいの。」


「吹奏楽……?」

「うん!楽器吹いたりするの。
楽しいんだよっ♪
…………ダメ?」


お母さんは、黙り込んだ。

ダメかなあ………