はねてるわけじゃない。

浮いてる。



「うわーっ‥治んないよこれ!」


「ですよね~…。」


「大祐先生いるのに寝癖なんてねー…」



え、いや私気にしてないから。
大祐先生とかべつに、イケメンだとは思うけど好きではないし。

というか、好きになるべき人でもないと思うし、好きになったところで叶わない恋だろうし。


7歳差だよ?


しかも中学生。相手になんて、されるわけない。



…まぁ、思春期というものはそういうものなんだろうけど。

今時の中学生は年上好きだし。


私も年上と恋愛する事に興味がないわけじゃない。

でも無理だとわかってることに執着してるのは疲れるから、潔く興味無くそうとしてる。




教室に戻った。


「起立、気をつけ。これから朝の会を始めます。お願いします」

《お願いします》


3年1組のクラスでは、大祐先生が特別に実習のため、期間中は担任でいることになった。


「健康観察、大祐先生お願いします」

「はい。…相澤 直也さん……岩崎 光琉さん…」


改めて聞いていると、すごく良い声してる。



「…鈴元 舞花さん……小鳥遊 桜香さん」


あっ


「はい!元気です。」


「ふふっ…前髪、寝癖?」

えっ

「は、はい…(笑)」


「あははっ……じゃあ続き、谷浦 美緒奈さん……」



は、話しかけられた…。


今一瞬、体にものすごい緊張が走ったのはなんで?





この時から私は、何故か大祐先生が気になってくるようになった。