───それは、突然だった。





「えー、今日から3週間、教育実習としてみんなと過ごすことになった、緒川大祐といいます。よろしくお願いします。」


『よろしくお願いします』




緒川大祐。




「実習させてもらうクラスは、3年1組です。」




…え。


私1組なんですけど…。




(きゃ━━━━━━っ)


女子が小声で騒ぎ出す。

…いや、小声で騒ぐとか矛盾してるな。



(やばっ!めっちゃかっこいい…♡)



まじすか

あなた好きな人いたよね?


簡単に乗り換えることなんて出来ちゃうものなのか…。




(桜香!めっちゃかっこいいよね!)


(ん?うーん、あまり好みじゃないかなぁ…)


(嘘でしょ!?あれ好みじゃない人っているの!?ありえない)


(…え、私好きな人いるし。)


(あー、いつまで好きでいるの?いい加減あきらめなよ…)


(なんか、あきらめられないんだよねぇ…名残惜しいって言うか…)




え、待てよ。


今自分で言ってみて思ったけど、それって好きとは違うんじゃないか?




べつに告ったわけじゃないけどフられたも同然だし


もう、諦めた方がいいのかもしれない。




その人のためにも、







私のためにも。