"愛子は強い
けれど、その強さはこの歳で身につけるべきものではなかった………
親の愛を知らないから、好きな物は手に入らないと…
欲しいものは手に入らないと、思っている………
どうか、愛子に愛を教えて欲しい…"
愛子を拾いムラに引き渡すまで育てた人が言った
初めて会った時、その言葉の意味のすべてをムラは理解した
いつもニコニコ笑っていて、なぜかムラには愛想を振らなかったけれど、愛想が良く
現実主義で、見たものしか信じない子だった……
ムラは選択に迫られていた
誠と駿河に義理を立てたいのなら家にいる……
自分のしたい事を一直線に駆けるために愛子と離れる……
ムラは答えを出せずに、荷造りをやめて部屋にこもった

