ルーシーは目を細めた。

「・・・それ、名前じゃない。」


その言葉に彼は微笑む。

「いいんだよ、これで・・・。」

そう言った彼の瞳には闇を宿していて、
この言葉を説明してくれる気はないようだった。
それを悟ったルーシーは何も聞かず、「そっか。」と呟くだけだった。

「そんなことよりも、ルーシーは早くここを出るべきだ。そこに扉はあるからさ・・・ね?」

赤子をあやすような口調でルーシーに語りかけた
ルーシーはうつむき、何かを考えている。


何かを決心したのか、ルーシーは紳士の方をじっと見つめていた。


「あなたは・・・紳士さんはどうするの?」

ルーシーは不安気な瞳で彼を見つめた。

「どうするって?」

彼は何も言わせないような威圧感を言葉に含みながら言う。

それに怯みながらもルーシーは彼に問う。

「・・・ここを出て、私はどうすればいいの?紳士さんは一緒にいてくれないの?」


「そんなのって私、寂しいよ・・・。」



「わかんないよ!紳士さんのことも自分のこともどこにいるのかさえも知らない!!」


「そんな状態で私はどうしたらいいの・・・っ!!!!」