鍵を開けて中に入る。
むわっとした湿気と
生ぬるい温度を感じながら
家にあがる。
窓を開けても
湿度は変わらない。
部屋の中よりも少し冷たい風を感じて
敷っぱなしの布団に座り込む。
7畳のあたしのお城。
このアパートに住んで
もう1年になる。
この土地に越してきて
唯一あたしの安らげる空間が
ここだけだ。
誰も居ない。
たったひとりの部屋。
築年数は長いらしいが、
フルリフォームなので
外観も内装も綺麗なアパートだ。
越してきて半年は
絶対に部屋では吸わないと決めていた煙草を
ベランダが寒いからという理由で
今では普通に吸っている。
これもあたしの弱さだ。
少しヤニで黄ばんだ
部屋の壁を見つめながら、
この瞬間も煙草に火をつけている。
口から吐き出す
真っ白な煙が、
どうやったら壁をこんな色にするのか。
そんなことを考えながら
公園の彼を思い出していた。
落ちかけた茶髪
白いTシャツ
デニムのパンツ
すごくシンプルな姿だった。
別に気に止めるほどでもない。
その彼を
どうしてこう思い出してしまうのか。
あたしにはもうわかっていた。
顔も知らない彼を
好きになっている。
そのことに
あたしは動揺している。
むわっとした湿気と
生ぬるい温度を感じながら
家にあがる。
窓を開けても
湿度は変わらない。
部屋の中よりも少し冷たい風を感じて
敷っぱなしの布団に座り込む。
7畳のあたしのお城。
このアパートに住んで
もう1年になる。
この土地に越してきて
唯一あたしの安らげる空間が
ここだけだ。
誰も居ない。
たったひとりの部屋。
築年数は長いらしいが、
フルリフォームなので
外観も内装も綺麗なアパートだ。
越してきて半年は
絶対に部屋では吸わないと決めていた煙草を
ベランダが寒いからという理由で
今では普通に吸っている。
これもあたしの弱さだ。
少しヤニで黄ばんだ
部屋の壁を見つめながら、
この瞬間も煙草に火をつけている。
口から吐き出す
真っ白な煙が、
どうやったら壁をこんな色にするのか。
そんなことを考えながら
公園の彼を思い出していた。
落ちかけた茶髪
白いTシャツ
デニムのパンツ
すごくシンプルな姿だった。
別に気に止めるほどでもない。
その彼を
どうしてこう思い出してしまうのか。
あたしにはもうわかっていた。
顔も知らない彼を
好きになっている。
そのことに
あたしは動揺している。
